相談者

毎日「今日は何にしよう」と考えるのが、いちばん疲れます

とり子

その疲れは料理ではなく「決めること」から来ています。曜日ごとに型を決めてしまいましょう

介護の食事づくりでつらいのは、包丁を握る時間よりも「今日は何を出そう」と考える時間かもしれません。買い物へ行き、献立を決め、作って、片づける。これを毎日ゼロから繰り返していると、料理そのものが苦しくなっていきます。

そこでおすすめしたいのが、曜日ごとに献立の型を決めてしまう方法です。決める回数を減らすだけで、負担は大きく変わります。

この記事で分かること

  • 曜日で型を決める考え方
  • そのまま使える1週間の献立例
  • 固定できる買い物リスト
  • 続けるための調整のしかた

高齢者施設で働く管理栄養士(JSDR認定士)の私が、現場の考え方をご家庭向けに翻訳してお伝えします。

結論|献立は曜日の型で決める

献立づくりの疲れの正体は決める回数であり、曜日ごとに型を決める考え方を示した図

毎日ゼロから考えると疲れます。宅食の日、麺の日、丼の日というように、先に型を決めてしまいましょう。中身は後から変えられます。大事なのは、考える回数そのものを減らすことです。プロの現場でも、実は同じ方法を使っています。

疲れの正体は決める回数

料理が苦手だから疲れるのではありません。毎日ゼロから決めていることが負担になっています。型があれば、迷う時間がなくなります。

中身は後から変えられる

「火曜は麺の日」と決めておけば、うどんでもそうめんでも構いません。枠だけ先に決めて、中身はその日の冷蔵庫に合わせます。

施設の献立も型で回っている

施設ではこうしています

私が働く施設の献立は、委託業者がサイクルメニュー(一定期間で繰り返す献立表)で組んでいます。毎日ゼロから考えているわけではありません。

決まった型があり、そこに行事食や、ふき・筍といった季節の食材を差し込んでいく。大量調理の現場でも、この方法で回しています。

そのまま使える1週間の献立例

月曜から日曜までの献立の型。宅食 麺 丼 缶詰アレンジ 予備日を並べた1週間の表

ここからは具体的な型の例です。宅食を週3回に置き換え、残りを常備食や簡単な調理でつなぐ形にしました。この通りにする必要はありません。ご家庭の生活リズムに合わせて、曜日を入れ替えて使ってください。

1週間の型

曜日献立の型例
月宅食魚の主菜セットとごはん
火麺卵と冷凍ほうれん草のうどん
水宅食肉の主菜セットとおかゆ
木丼ツナと卵のやわらか丼と冷凍かぼちゃ
金宅食豆腐や魚の主菜セットとごはん
土缶詰アレンジさばと豆腐の煮物と主食
日予備日冷凍つくねと里芋、または残った宅食

予備日をつくっておく

介護をしていると、予定通りにいかない日が必ずあります。日曜を予備日にしておくと、余った宅食を回せますし、疲れた日の逃げ場にもなります。

無理に型へ合わせない

本人が食べにくい料理は、無理にこの例へ合わせないでください。むせや食べ残しが増えた場合は、献立より先に状態の確認が必要です。気になる変化があれば専門職に相談しましょう。

買い物リストも固定する

パックごはん 卵 豆腐 魚缶 冷凍うどん 冷凍野菜など固定できる買い物リストを示した図

献立の型が決まれば、買うものも自然と決まります。毎回スーパーで考え込む必要がなくなり、買い物の時間そのものが短くなります。ここでは、上の1週間を回すための基本の買い物リストを紹介します。

常温と冷蔵で買うもの

  • パックごはんまたはおかゆ
  • 卵と豆腐
  • 小さな魚缶とツナ缶
  • 乾燥わかめと高野豆腐

冷凍庫に入れておくもの

  • 冷凍うどん
  • 冷凍ほうれん草
  • 冷凍かぼちゃ
  • 冷凍里芋

ここに宅食3食分を足す

この買い物リストに宅食3食分を加えれば、急な残業や通院の日にも対応できます。冷凍でまとめて届くタイプなら、受け取りの日時に縛られません。

ワタミの宅食ダイレクトには、いつでも二菜・三菜・五菜のほか、やわらかおかずとムース食から選べる介護食のカテゴリがあります。品数を選べるので、食が細くなった方にも合わせやすい構成です。

※価格やセット内容は変更される場合があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。本人の食べる力に合うかどうか迷うときは、かかりつけ医や言語聴覚士にご相談ください。

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宅食と常備食をどう組み合わせるかは、こちらで詳しく解説しています。
→ 【管理栄養士が解説】介護の宅食と常備食の使い分け|疲れない選び方

続けるための調整のしかた

宅食の回数を週2回から5回で動かすなど続けるための調整方法を示した図

型を決めても、そのまま何ヶ月も続くとは限りません。本人の食欲も、介護する側の余力も変わります。大切なのは、うまくいかないときに型そのものを見直せることです。調整のポイントを3つお伝えします。

使わなかったものは買い足さない

一週間で使わなかった食品は、翌週の買い足しを止めます。これだけで、冷蔵庫の中の無駄が減っていきます。

宅食の回数は2回から5回で動かす

親の好み、介護者の帰宅時間、冷凍庫の大きさに合わせて、宅食の回数を調整します。忙しい週は増やし、余裕のある週は減らす。固定しすぎないことが長続きのコツです。

献立より本人の様子を優先する

食べ残しが増えた、食べる速さが落ちた、むせるようになった。こうした変化があるときは、献立を守ることより状態の確認を優先してください。

よくある質問

介護の献立づくりについてよくある質問のバナー

献立づくりについて、ご家族からよくいただく質問をまとめました。同じところで悩んでいる方は多いものです。

この通りに作らないといけませんか

そのまま使う必要はありません。曜日を入れ替えても、宅食の日を増やしても構いません。型があること自体に意味があります。

毎日同じような献立でも大丈夫ですか

型は同じでも、中身を少し変えれば単調になりません。麺の日にうどんとそうめんを交互にする、といった調整で十分です。

宅食は何回から始めればいいですか

週2回から始めるのがおすすめです。一番しんどい曜日に当てて、無理なく続くかを確かめてから増やしましょう。

栄養バランスは足りますか

一食ごとに完璧を目指さず、一週間で見てください。主食とたんぱく源が毎食そろっていれば、大きく崩れることはありません。食事制限がある方は主治医や管理栄養士に確認しましょう。

嚥下に不安がある場合も使えますか

食べやすさの段階が選べる宅食を使い、本人の食べる力に合わせてください。どの段階が合うかの判断は、かかりつけ医や言語聴覚士に相談しましょう。

費用が心配です

毎食を宅食にする必要はありません。週2回でも買い物と献立決めを休める日ができます。定期契約の前に、お試しや少量注文で相性を確かめてください。

まとめ|決める回数を減らす

献立づくりの負担は、料理の腕ではなく決める回数で決まります。曜日の型をつくり、宅食と常備食を組み合わせれば、毎日の「何にしよう」がなくなります。

この記事の振り返り

  • 曜日ごとに献立の型を決める
  • 予備日をつくって逃げ場を残す
  • 買い物リストも固定する
  • 宅食の回数は2回から5回で動かす
  • むせや食べ残しが増えたら状態の確認を優先

まずは週2回だけ宅食に置き換えることから始めてみてください。空いた時間と費用のバランスを見ながら、ご家庭に合う回数を探していきましょう。

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※本記事の情報は一般的な工夫です。食事制限、アレルギー、嚥下状態には個人差があります。むせや食べ残しが増えた場合は、自己判断で様子を見ず、主治医・歯科医師・管理栄養士・言語聴覚士などにご相談ください。

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とり子
高齢者施設で働く管理栄養士です。 日々の現場では、ご家族から食事量の低下やむせ、介護食の悩みについて相談を受けることがあります。 頑張って手作りしているからこそ、つらくなる…そんなご家族に、少しでも力を抜いてもらえる情報を届けたい。 JSDR認定士として、専門知識と現場の経験を、優しく分かりやすくお伝えします。