相談者

母が最近やせてきた気がします。でも、どのくらい減ったら病院に相談すればいいのか分かりません。

とり子

体重と食べた量を記録しておくと、変化に早く気づけます。書きこむだけで使える記録表を作ったので、ぜひ使ってください。

高齢になると、少しずつ体重が減っていても、毎日そばにいる家族ほど気づきにくいものです。「なんとなくやせた気がする」だけでは、相談するタイミングも迷ってしまいますよね。

体重と食べた量は、数字で記録しておくと、変化に早く気づけて、相談もしやすくなります。

この記事で分かること

  • 「体重・食事量の記録表」の中身
  • 体重の記録のしかたと、相談の目安
  • 食べた量と水分の記録のしかた
  • 記録表の上手な使い方

高齢者施設で働く管理栄養士の私が、施設での記録の考え方をもとに作りました。無料でダウンロードできます。

結論|体重と食べた量を数字で残す

低栄養に早く気づくために、家族が書きこむだけで使える記録表を作りました。

「やせた気がする」を数字にする

体重の変化は、キロ数ではなく「何%減ったか」で見るのがポイントです。同じ2kgでも、体重40kgの方と70kgの方では、意味がまったく違うからです。記録表には、%を書く欄をつけています。

食べた量と水分も一緒に

体重が減る前に、食べる量が減っていることがあります。食べた割合と水分も記録しておくと、原因を考える手がかりになります。

無料でダウンロードできます

A4・2ページのPDFです。1ページ目が体重、2ページ目が食事量です。書きこみ用と記入例の2種類があります。

1ページ目|体重の記録表

1年分の体重を記録できます。

月に1回、同じ条件で量る

とり子

施設では、体重は月に1回量るのが基本です。体重が減ってきている方や、むくみがある方は、看護師の判断で週に1回に増やすこともあります。

毎日量ると、日々の増減に振り回されてしまいます。月に1回、同じ時間・同じくらいの服装で量りましょう。

ふだんの体重を書いておく

表の上に、元気なころの「ふだんの体重」を書く欄があります。ここを基準にして、何%減ったかを計算します。

計算のしかた

(前の体重 − 今の体重)÷ 前の体重 × 100

たとえば、1か月前が50kg、今が47.5kgなら、(50 − 47.5)÷ 50 × 100 = 5%です。

この減り方なら、相談を

介護の現場では、体重が何%減ったかで、低栄養のリスクを判断しています。記録表にも、この目安をのせています。

  • 1か月:3〜5%未満の減少は気をつけたい。5%以上はすぐ相談
  • 3か月:3〜7.5%未満の減少は気をつけたい。7.5%以上はすぐ相談
  • 6か月:3〜10%未満の減少は気をつけたい。10%以上はすぐ相談

1か月ごとの減り方は小さくても、3か月、6か月と続けて見ると、大きく減っていることがあります。記入例では、1か月で1kgずつ減って、3か月で8%減り、「すぐ相談」に当てはまる例をのせています。
→ 食べてるのに低栄養と言われたら|原因と体重での確かめ方

2ページ目|食事量の記録表

2週間分の、食べた量と水分を記録できます。

食べた割合を%で書く

いつも出している量のうち、どのくらい食べたかを、%で書きます。全部なら100、4分の3くらいなら75、半分くらいなら50、少しなら25、食べなかったら0です。

75%以下が続いたら注意

食べた割合が75%以下の日が続くときは、注意したいサインです。施設で使っている国の様式でも、食事の量が75%以下になると注意が必要とされています。
→ 高齢者の低栄養とは?見逃しやすい7つのサインと改善策

食べられなかった理由もメモ

「肉がかたいと言う」「量が多いと言う」「夕方は疲れている」など、気づいたことを書いておきましょう。理由が分かると、食事の形や量、出す時間を見直すきっかけになります。
→ 高齢者が食べなくなってきた|家族ができる5つの対応

水分も一緒に

水分の欄には、飲んだコップの数を書きます。食事の量が減ると、水分も減りやすくなります。
→ 高齢の親が水を飲んでくれない|施設で実際にしている飲んでもらう工夫

記録表の上手な使い方

記録は、続けることと、見せることが大切です。

体重計の近くに置く

記録表を体重計の近くや冷蔵庫に貼っておくと、書き忘れが減ります。

受診やケアマネジャーとの面談に持っていく

記録があると、「いつから」「どのくらい」減ったのかが、すぐに伝わります。主治医やケアマネジャー、管理栄養士に見せてください。食事の写真もあわせて持っていくと、話が早く進みます。

体重計に乗るのを嫌がるときは

無理に量らなくても大丈夫です。指輪がゆるくなった、ベルトの穴が変わった、顔つきが変わったなど、気づいたことを「気づいたこと」の欄に書いておきましょう。

よくある質問

毎日量った方がいいですか

毎日量ると、日々の増減に振り回されてしまいます。月に1回で大丈夫です。体重が減ってきたときや、むくみが気になるときは、週に1回に増やしましょう。

食べた割合の見分け方が分かりません

ぴったりでなくて大丈夫です。お皿に残った量を見て、だいたいで書いてください。同じ人が同じ見方で続けることが大切です。

施設や事業所で印刷して使ってもいいですか

はい。ご家族や、施設・事業所の中で印刷して使っていただくのは自由です。内容を変えての配布や、販売はご遠慮ください。

体重が減っていたら、どうすればいいですか

自己判断で様子を見ず、記録を持って、主治医・管理栄養士・ケアマネジャーに相談してください。
→ 最近、親が痩せてきた|放置してはいけない理由と体重の見方

まとめ|記録が、早く気づく力になる

体重と食べた量は、記録しておくと、変化に早く気づけます。月に1回の体重と、毎日の食べた量を、記録表に書いてみましょう。

この記事の振り返り

  • 体重は月に1回、同じ時間・同じくらいの服装で量る
  • 何%減ったかで見る。1か月5%以上、3か月7.5%以上、6か月10%以上はすぐ相談
  • 食べた割合を%で書き、75%以下が続いたら注意
  • 水分と、食べられなかった理由もメモする
  • 受診やケアマネジャーとの面談に、記録を持っていく

今月、親の体重を量って、記録表に書いてみてください。

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※体重減少の目安は、厚生労働省「栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング(施設)(様式例)」をもとにしています。本記事の情報は一般的な内容です。体重や食べる量が減っているときは、自己判断で様子を見ず、主治医・管理栄養士などにご相談ください。

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とり子
高齢者施設で働く管理栄養士です。 日々の現場では、ご家族から食事量の低下やむせ、介護食の悩みについて相談を受けることがあります。 頑張って手作りしているからこそ、つらくなる…そんなご家族に、少しでも力を抜いてもらえる情報を届けたい。 JSDR認定士として、専門知識と現場の経験を、優しく分かりやすくお伝えします。